【再録】先生、私達を置いていくの?

投稿者: | 2023年10月21日

これまでに色々な子どもや家庭のお母さん、お父さん方と関わりをして思うことは、ふと、あの時、あの場面、あの瞬間を思い出すことがあります。現在もいろいろなルートを通じて出会い、相談や子どもの指導等で関わるご家庭と出会うと、その家庭の思いを想像すると、これまで出会ってきた方々の顔を思い出します。

香川に来る前は、関東近辺で臨床活動をいろいろとやっていました。当然ながら、そこでも新たな出会いに恵まれ、いろいろな経験をさせてもらう機会にめぐりあっていろいな意味で日々学びの連続でした。目の前の子どもには、できるだけ良いパフォーマンに引き上げたい、引き上げるためには、新しい方法を生み出して、提供したい。そんな専門家としてのプライドをもって今日まで歩んできたつもりです。でも、私からすれば、そのプライドの原点となるものは、これまで関わりを持ってきた子ども達や保護者から教えられ、学んだことが、形になったものです。

だから、ふと思い出すのです。

香川に赴任することが決まった時に、当時サポートしてきた、野崎担当の子ども達の保護者からは、「先生、香川に行ってしまうの?」「私達を置いていくの?」と言われたものです。「冗談ですよ」と言われながらも、保護者達の淋しそうな表情を今でも思い出します。保護者の気持ちを思うと、当時の思いや願いの基本は変わらずにいます。

関わりを持てる子どもやご家庭には、関われる時間の間は、より良いものを提供することに貢献したいと考えています。そして、こうした取り組みの成果は、次世代の若者達に少しでも伝えられていけたら、社会は変わっていくのではないかと次世代に期待をしたいのです。