オープンキャンパスから見える家庭・・・

投稿者: | 2022年10月8日

    オープンキャンパスは、大学が学生募集をするうえで、大学教員として重要な業務の一つです。毎回オープンキャンパスに出て行くのですが、いろいろな高校生、そして保護者がやってきます。大学と、短大、専門学校と何が違うのか、高校生本人の意向と保護者の意向にズレがあって、確認にやってくる方もあります。家庭からすれば、大学生になった、我が子の姿をイメージする機会でもあり、模擬講義なんかは、高校生よりも保護者の方が真剣に話を聞いていることが少なくありません。

 大学での勉強は、高校までと大きく異なり、高校時代の不十分な学習不足により、仮に入学できたとしても卒業まで至らないということが、全国で様々な大学で生じています。不登校というと、中学生をイメージしますが、その後、世の中では高校生の不登校がクローズアップされるようになり、今日に至ります。全日制高校を退学しても、現在は、サポート校と呼ばる学校や、通信制高校が多数あるため、高校卒業を得られるようになっています。こうした通信制高校は、90年代後半頃から開設されはじめ、現在は不登校等の生徒の学ぶ場として定着してきた感があります。


毎日新聞(2022年9月23日)「お兄さん、お姉さんの「レンタル」で救え 相談急増の大学不登校 」https://mainichi.jp/articles/20220922/k00/00m/040/148000c


 大学に目を向けてみます。ところが、大学に入学すると、それなりにやる事を求めらることが多く、高校時代よりも、より主体的な行動が求められます。それに、現在は、新型コロナにより制限のある生活環境です。大学生活につまづくと、学生は講義に出席をしなくなります。こうした変化が、結果的に、休学、留年、退学などの経過を辿ることが少なくありません。講義に出てこない学生は、今日的な問題というよりも、以前から存在する問題です。ただ、大学では、こうした学生を不登校とは表現をせず、講義を出席しない学生として認知する学生です。全国的に見ると大学に入学してくる学生は、多様になってきています。例えば、入学後、学力的についていけないケース、高校まで抱えてきた生活問題の継続、高校までに不登校等の経験があり日常生活リズムを維持することが難しいケース、最終的に卒業できず退学するケースなどです。この記事にあるように、様々な問題背景を持っている学生が、全国の大学に在籍していて、各大学では大学不登校が問題になっています。

 話題をオープンキャンパスにもどします。家庭にとって、我が子の成長に心配を抱く家庭ほど、やはり大学などのオープンキャンパスに足を運んでもらうことが、必要な時代です。特に、大学での個別相談ブースを利用して、履修方法、大学生活、入学前までに何を準備しておくべきなのか、受験生本人と保護者で、担当者から直接、確認することお勧めします。また、オープンキャンパスで得られた情報を元にして、新生活の課題や大学生としてやっていけるか等を、家庭でしっかりと本人と話し合い、確認して、志望を決めるべきだと思います。
 私の所でも、受験生と保護者で、オープンキャンパスにやってきて、担当者から詳しい説明を受ける家庭は少なくありません。こうした取り組みは、ホームページや、受験雑誌の中にはない情報になります。家庭にとって、我が子の進学は、受験生本人にとっても、保護者にとってもに大きな節目です。進学後の4年間に関わる必要な情報は、ぜひ進学希望先の現地で、自分の目で見て確認して欲しいです。