2025年4月15日放送、NHKグローズアップ現代で発達障害を発見する方法として5歳児健診が取り上げてられていました。
香川県は、全国的に見ても5歳児健診の先進地域です。こども家庭庁が、発達凸凹の子どもを発見するのに、全国で5歳健診を実施するように補助を始めました。
私は、善通寺市が15年前にスタートさせたいときのシステム作りと、その後のフォローアップ体制の構築を進めてきました。5歳健診のポイントは、子どもの発達に即した支援を子どもと家庭にすることにあります。ところがです。
早期発見の旗振りのもと、探すことが優先させている自治体もあり、5歳児健診が踏み絵みたいになるような健診システムは、機能しないと思っています。
クロ現の中では、5歳児健診で発達障害の診断を確定して欲しかった事例を挟んでいましたが、それは一つの意見であり、すべての親がそのように願っているわけではありません。
むしろ発達凸凹を発見されたことに、戸惑い、支援を拒否をするケースの方が多いのです。それは、そうでしょう。支援する側からすれば、その点をどのように保護者と一緒に考えられるようにサポートするかというシステムを構築することの方が重要です。
2017年頃に慶應大学を会場に、クロ現でも出てきたADDSという団体が、療育プログラムの実装プロジェクトで関係者として出向くことがありました。当時、5歳児健診の話をしても、関東の方は、全くと言って反応がありませんでした。むしろ、何ですか?、と言われる状態でした。5歳児健診については、全国的に地域差が大きい取り組みであり、過去に実施はしたが辞めたという地域も多いのです。
基本的に手間を要する健診とフォローアップ体制作りが必要なので、人口規模の大きなところでは、実際にはできません。早期発見することを重要視するのが、それとも子どもの発達や支援ニーズに合わせたサポートをすることも含めたシステムにするのか?。
私は、後者のシステムでないと、実際にはうまくいかないと考えています。保護者は、我が子の発達にモンモンとした気持ちを抱えるがために、その後、様々な支援の機会が、巡ってきても保護者の受け止め課題を丁寧にサポートしない限り我が子が大人になっても保護者の葛藤は小さくできないからです。
早期発見、早期対応と掛け声は、時代は繰り返している、また言っているなという印象です。ひと昔前、早期発見と言うことを敢えて控えて、単なる発見だけにならないようにと香川で支援体制を整えて来ました。今はこども家庭庁となって、私からするとまた言っているなというのが、素直な気持ち。支援をするなと言っているわけではありません。早期発見だけひとり歩きするのが、障がいのある子どもや人々に対する不十分な社会の理解問題とリンクすることを認識すべきです。