福祉って貧しい人に対する分野なのだろうか?

投稿者: | 2025年7月19日

世間の方からすると、「福祉」は貧しい人の分野?、そのように言われ方に出会うことがあります。

例えば、乳児、学童保育、小学生や中学生などの子ども、悩みもつ人、子育て中の親、病気や障がいを抱える人、一人で生活する高齢者、ひとり親家庭、災害で住処を無くした人、自立に向けて働く準備している人・・などなど。

例えば、ここで列挙したのは、その一例にしかすぎませんが、これらは福祉が対象にする方々の一例です。時代の変化と共に、個人が抱える生きにくいさを社会で支えましょうとするのが福祉か担う部分で、その対象や領域は広がっているのです。

戦後の貧しい時代から日本が復興する時代は、全国各地は、本当に大変な時代だったと当時を知る先輩世代から、そのようなお話をよく聞きました。生きていくのが大変な光景が広がっていたと聞かされものです。

ところがです。

テーマにあるように福祉は、貧しい人を相手にする分野なのか?・・この問いには、いささか腑に落ちないのです。それは、日本の戦後の貧しい時代から生活への価値観や生活の多様性を支える福祉制度が生まれ、私達の生活の中に福祉フィールドの裾野は広がっているからです。まあ、福祉と実感せずに恩恵を受けて生活をしている人が大半だからと言えばいいのかもしれません。

でも、そうした取り組みは突然始まったものでなく、先人達が、地域社会の中で様々なアクションを起こして取り組んだ事実が起点となっで、今日につながっているという歴史を知って欲しいですね。

だって、今を生きる私達もまた、次の世代にバトンタッチをするための使命を持っているからです。戦士達からの良き取り組みは継続させ、不足するものがあれば、新しい取り組みを生み出す。福祉は、こうして今日に至っていることに多くの方に知ってもらいたいです。

今日の社会では、福祉とは実に幅広く、私たちの生活の生きにくささや、不自由な生活環境を改善したり、当たり前のような生活を持続させる仕組みを維持する分野になっています。だから、貧しいというひと言だけて片付けることに、違和感を感じてしまうのです。

でも、そのように考えられない方は、理解できないだろうなと思うようにしています。

続けます。

福祉の支援を利用する対象者が、社会からマイナスな烙印を押される存在だとしたら、例えば、高齢者はまさにそのような存在になります。

でも違いますよね。

福祉が果たす使命は、今ここに生きている人の命や生活が続くように、また守るために、人が人を支えたり人々の生活が継続できるような生活環境を整えることに取り組む分野なんですけど・・。

人が生きている限り、人は様々なコストを払って生きています。一方で、人が人の命を守る為には、様々な手間や支えが必要です。人は、いずれは衰えもあり寿命がやってきます。

だからこそ、今ここにある命を全うしながら生きることを続けらるような仕組みを整えて、支える仕組みを動かすのが、社会福祉が必要な理由です。人は、どの世代にいても、直接的に間接的に、今ある生活をより良く生きていくために、支えられて生きていることを忘れてはなりません。

地域社会が小さくなってきている今だからこと、強くそのように感じるのかもしれません。